差分

7,378 バイト追加 、 2017年4月15日 (土) 22:42
ページの作成:「== 矢吹駆連作 == フランスを主な舞台に、素性不明の日本人矢吹駆を主人公にした連作。<br />著者自身の短文や、解説文などで...」
== 矢吹駆連作 ==
フランスを主な舞台に、素性不明の日本人矢吹駆を主人公にした連作。<br />著者自身の短文や、解説文などでは、なぜか「シリーズ」ではなく「連作」と記されることが多いようだ。一般にも「連作」と呼ぶ例が多い。

“語り手キャラ”の立場に立つのは、ワトスン役でもあるナディア・モガール。

推理小説の連作。現在のところ、『[[バイバイ、エンジェル]]』、『[[サマー・アポカリプス]]』、『[[薔薇の女]]』、『[[哲学者の密室]]』、『[[オイディプス症候群]]』の本編5作が公刊されている。

関連作としては、他に、著者自身によって「第0号作品」と呼ばれている『[[熾天使の夏]]』、単行本腰帯で「矢吹駆シリーズ日本篇」と銘打たれた『[[青銅の悲劇 瀕死の王]]』も公刊されている。

連作の本編シリーズは、思想批評の内容も含み、連作を通して読むと恋愛小説のような要素もうかがえる。

「遍歴小説」「壊れた[[教養小説]]」などと評されることもある。

;著
:[[笠井潔|笠井 潔]]

== 用語や登場人物 ==

=== キャラクター ===
;矢吹 駆
:モンマルトル街近くの「貧しげで見すぼらしい路地」に面した安ホテルにて、屋根裏の狭い部屋で暮らす素性不明の日本人(自称)。<br />作中<望ましからざる者>である可能性が示唆される会話がある(『[[バイバイ、エンジェル]]』)。
;ナディア・モガール
:パリ司法警察のモガール警視の娘。大学時代19歳の年の秋に、矢吹駆と面識を得、さらに後、彼と共に関わったいくつかの事件の記録を小説風に記す。つまり、矢吹駆連作本編の語り手キャラとして設定されたキャラ。

;用語や人名
:解説

=== [[ガジェット|ガジェット(小道具)]] ===
;用語や人名
:解説

=== 用語 ===
;用語や人名
:解説

== 関連する用語 ==
;遍歴小説
:本編で主人公(矢吹駆)が他のキャラに語るところを総合すると、駆は、「ヒマラヤの山中にある古びて崩れかけた僧院」で修行をしていたことがあるようだ。3段階あると予告された悟りの第2段階まで到達したところで、メートル(導師)に、下界に赴くよう命じられた。<br />第3段階の悟りは、下界で“悪の内の悪”と闘わなければ、到達できないらしい。少なくとも主人公はそう考えているようだ。
;壊れた教養小説
:伝統的な教養小説が、古典的な市民社会での人物の成長段階を描くのに対し「教養小説に似た構図を持つが、古典的成長の図式が壊れていることが描かれている」といった主旨。
;第0号作品
:『[[熾天使の夏]]』の事。『[[バイバイ、エンジェル]]』に登場する以前の駆の事が描かれているらしい。そうだとすると、「矢吹駆」とは、彼が使っていた幾つかの変名の1つだった、と示唆する内容も記されている。<br />この物語の語り手はナディア・モガールでは無い。変名(党名)で「カケルさん」と呼ばれる男性の1人称小説になっている。
;青銅の悲劇 瀕死の王
:通例、出版社(編集部)の文責とみなされる腰帯で「矢吹駆シリーズ日本篇」と銘打たれている。が、この作品の語り手キャラクターは、ナディア・モガールでも、カケルさん(矢吹駆)でもない。この作品と連作の関連付け(矢吹駆シリーズ日本篇)には、読者によるNET書評で批判も見られる。

=== 物語の背景 ===
*『[[バイバイ、エンジェル]]』
**語り手のナディアが19の冬に体験した出来事が20になった5月の視点から回想、整理されている。
**物語の背景はスペインがまだ独裁政権下にあった時期。
**おそれらく、フランスはドゴール政権下にあった時期と推測される。
**5月革命(パリ騒乱)のあった1968年よりは確実に後で、あるいは数年後(?)といった雰囲気。<br />(この件は後に『[[哲学者の密室]]』序章に記されたナディアの回想で、少し細かな限定がなされる事になる)

*『[[サマー・アポカリプス]]』
**『バイバイ、エンジェル』で語られた出来事に続く、ナディア20の年の5月末から10月下旬にかけての出来事が回想、整理されている。<br />「物語内の今」の時制で語られる出来事の内、最も最初の時間は、『バイバイ、エンジェル』で語られた最後の出来事の1週間後になっている(第一章)。
**回想する視点はいつ頃が想定されているかは定かでないが、10月下旬か、それよりは後。

== メモ ==

== 書誌情報(関連作品) ==

=== [[バイバイ、エンジェル]]<br />(旧題『ラルース家殺人事件』) ===
*雑誌「[[野生時代]]」([[角川書店]])1979年5月号に一挙掲載。
*1979年7月、単行本刊行(単行本書名『バイバイ、エンジェル ラルース家殺人事件』
*1979年、第5回角川小説賞受賞作
*創元文庫版(1995年)書影<br /><amazon>4488415016</amazon>

=== [[サマー・アポカリプス]] ===
*1981年単行本刊行(単行本書名『サマー・アポカリプス ロシュフォール家殺人事件』)
*1984年角川文庫版刊行(書名『アポカリプス殺人事件』)
*創元文庫版(1996年)書影<br /><amazon>4488415024</amazon>

=== [[薔薇の女]] ===
*1983年単行本刊行(単行本書名『薔薇の女 <アンドロギュヌス>殺人事件』)
*創元文庫版(1996年)書影<br /><amazon>4488415032</amazon>

=== [[哲学者の密室]] ===
*1992年単行本刊行
*創元文庫版(2002年)書影<br /><amazon>4488415040</amazon>

=== [[オイディプス症候群]] ===
*2002年単行本刊行
*光文社文庫版 上巻(2008年刊)<br /><amazon>4334745083</amazon>
*光文社文庫版 下巻(2008年刊)<br /><amazon>4334745091</amazon>

=== 天使/黙示/薔薇 ===
*矢吹駆連作初期3作の合本(1990年、作品社刊)
*『天使/黙示/薔薇 笠井潔探偵小説集』書影<br /><amazon>4878931582</amazon>

=== [[熾天使の夏]] ===
*1997年単行本刊行
*創元推理文庫版(2008年)書影<br /><amazon>4488415075</amazon>

=== [[青銅の悲劇 瀕死の王]] ===
*2008年単行本刊行
*単行本書影<br /><amazon>4062148064</amazon>
*講談社ノベルス版(2010年刊行)<br /><amazon>4061827251</amazon>

== 話題まとめ ==
<!-- *[[namazu:矢吹駆]] (全文検索結果) -->

=== 書評 ===

=== チャットログ ===

=== [http://drupal.cre.jp/taxonomy/term/3718/all Drupal.cre.jp - 矢吹駆連作]新着 ===
{{rss_show(http://drupal.cre.jp/taxonomy/term/3718/all/feed)}}

== 資料リンク ==
<!-- *[[一覧:矢吹駆]] -->
<!-- *[[一覧:矢吹駆連作]] -->

== リンク ==
*[[笠井潔]]
*[[ミステリ]]

== TrackBack ==
{{trackback}}