印欧語の故郷を探る

風間 喜代三

インド・ヨーロッパ(印欧)祖語の話し手たちはいつどこに生活し、どんな文化をもっていたのか。この先史時代の謎は言語学者はもとより民族学や考古学の分野の人びとをも把えてはなさない。印欧比較言語学の第一人者が「故郷問題」をめぐって展開した学問とロマンと政治の熱いせめぎあいを興味ぶかい研究史として語る。
(「BOOK」データベースより)

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解説

メモ

  • この本は飛ばし読みは避けた方がいい。
    過去に唱えられた諸説と学術論争の歴史を扱い、どの説にどんな欠陥があり、どんな誤解と共に世に広がったか、なども扱っているからだ。
    概ね、過去の説の紹介、論争史、後の視点からの欠点検証という構成が繰り返されている。
    つまり、「過去の説の紹介」の部分だけ飛ばし読みすると、欠陥の多いトンデモ説のような説だけをインプットしてしまいかねない。
  • 過去に大真面目に唱えられた、トンデモ説のような学説も紹介されている。
    過去の説の考え方にどんな欠点があったか、考え方を読んでいくと、言語学研究者でなくても参考になる。
    トンデモ説に近いようなもっともらしい学説については、ある種のフィクション(伝奇モノなど?)創作の参考になることもあるかもしれない。
  • 印欧語、及び、印欧語研究の手堅い概説書としては、文庫クセジュの『印欧語』あたりが、比較的廉価。
  • 印欧語を巡る言説史の研究書には次がある。アプローチは違うが、題材の範囲は『印欧語の故郷を探る』とも重なる。
    レオン・ポリアコフ 著,アーリア主義研究会 訳,『アーリア神話 ヨーロッパにおける人種主義と民族主義の源泉』(叢書・ウニベルシタス),法政大学出版局,Tokyo,1985.

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