地獄少女(アニメ版)DVD第一巻
『地獄少女』(アニメ版)DVD 第一巻
2005年から2006年にかけて、地上波深夜枠、CSなどで放映された『地獄少女』第1期アニメのDVD第一巻。
販売元=アニプレックス (他にソニー・ミュージックディストリビューション版も)
- 原作
- 地獄少女プロジェクト(原案=わたなべ ひろし)
- 製作
- 地獄少女プロジェクト
(アニメーション製作はスタジオディーン) - 監督(総監督)
- 大森貴弘
- シリーズ構成
- 金巻兼一
- キャラクターデザイン
- 岡真里子
- コピーライト
- 地獄少女プロジェクト、スカパー・ウェルシンク、アニプレックス
概要
「地獄少女」第1期アニメ『地獄少女』の、第一話〜第三話が採録されている。
用語や登場人物
- 地獄少女
- 地獄通信にアクセスできた人物の前に姿を現す謎の少女と、都市伝説でも噂されている。しばしば、依頼人の前に「呼んだ?」「呼んだでしょ」、あるいは「来たよ」などと言いながら忽然と顕れる。続けて、「私は閻魔あい」と名乗ることも多い。
通例、やや古めかしい感じのデザインのセーラー服姿で現れる。都市伝説では、地獄少女に会えれば、恨みを晴らしてもらえる、とされているが。
第一話「夕闇の彼方より」
- 橋本真由美(声優=植田佳奈)
- 私立の女子中学生でクラスの学級委員。クラスから預けられた募金を紛失。その後、金を立替で用立ててもらった黒田さん(黒田亜矢)に、ゆすりと苛めを重ねられる。
- 偶然噂話を耳にした地獄通信にアクセスを試み、1度でアクセスに成功。しかし、この時はターゲット名を書き込むものの、[送信]のボタンは押さない(脳裏では「頼むと自分も死んじゃうって」という噂話が思い出されている)。
その後、黒田の言うままに動き、夜遊びをしているとの噂を学園内で立てられると、これを苦に地獄通信に依頼を送信。送信後、「受け取りました」の携帯メールを受信するが、特に変わったことは起きない。
さらに苛めと恐喝を重ねられる橋本真由美は、それを苦に飛び降り自殺を試みる。投身中に地獄少女が顕われ、夕暮れの里の湖畔へ引き込まれると藁人形を手渡される。 - 黒田亜矢(声優=川上とも子)
- 橋本真由美と同じクラスの女子中学生。橋本が紛失した募金を用立てるが、橋本から返済を受けた後も、利息を要求。取り巻きの少女たちと共に、橋本相手のゆすりと苛めを重ねる。
- 黒田亜矢は地獄流しにされる前の仕置き(地獄のイリュージョン)で、元々、橋本真由美の鞄から募金の金を盗んだことを暴かれる。が、「こんなのは嘘っぱち」だし「何か証拠でもあるの??」と開き直ってみせる。“三藁”の妖怪たちに「からかっただけよ」と強弁したところで、「闇に惑いし哀れな影よ〜」と、地獄少女に告げられる。
三途の川の渡し舟の上で気づく黒田亜矢は、強気な感じで「どこに連れて行く気?」と地獄少女に訊ねるが。船底から突き出す手に手首を掴まれ、絶句する。 - 地獄通信
- 誰かに強い恨みの念を抱いている人物だけが、インターネットで、深夜0時ちょうどにアクセスできるコンテンツ。インターネットに割り込む感じの、超自然的なサイトであるはずで、恨む相手のいない者が好奇心から検索しても、アクセスはおろか、検出すらされない。
- 第一話「夕闇の彼方より」では、依頼人になる橋本真由美は、学校で偶然、「午前0時にホームページ書き込むと、どんな恨みでも晴らしてくれる」「塾の友達の友達で実際にやった子がいるんだって」「あれ、ヤバいらしいよ。頼むと自分も死んじゃうって。急にいなくなった子もいるとか聞くし」などの噂話を聞く。
- 依頼したい人物がネットでアクセスできると、通例、まず、モニター画面の中ほどに、小さな人魂のような炎の画像が灯って消える(あるいは、この画像が、現実のネット回線と、超自然的な通信とのゲートのようなものとのアクセスを示しているのかもしれない)。そして、画面は、“あなたの恨み、晴らします”と書かれた下に、恨む相手の氏名を書き込み、送信するためのフレームと送信ボタンとが1つずつ用意された、シンプルな画面になる。
- 第一話など初期のエピソードでは、依頼送信後あまりたたない内に、依頼人の携帯に、地獄少女名義で「受け取りました」とのメールが送付される描写があった。
- 閻魔あい(声優=能登麻美子)
- 地獄少女が「閻魔あい」と名乗ることは、作中の噂話でもそれなりに知られてはいる様子。第1話で依頼人になる女子中学生(橋本真由美)は知らなかったが、エピソード話数が後に進むほど、直接会う前から、閻魔あいの名を聞き知っている依頼人が増える傾向はある。
- あいの外見は、中学生くらいに見える。前髪を揃えた黒い長髪は、日本人形のような印象。他のキャラと比較しても一段と白く色素の薄い肌、顔立ちの内でプロポーションの大きな瞳は虹彩が紅い、などが特徴。口数は少なく、あまり考えを言葉にしない。普通は、感情表現も乏しく、感情の変化をうかがうことはかなり難しい。ただ、第十二話「零れたカケラ達」で依頼人になる少女は、あいの印象を「淋しそうな人でした」と、語る。
- あいのことを「お嬢」と呼び、付き従う三妖怪とのやりとりでも、しばしば心ここにあらずといった様子で、頓珍漢な受け答えをすることがある。あるいは、紙風船やビー玉などで、1人遊びを、さほど楽しそうでもない感じで続けていることも。ただ、あいが「おばあちゃん」と呼ぶ謎の老婆は、しばしば、あいの感情を察しているような言葉を口にする。
- 「夕暮れの里」
- 地獄少女、閻魔あいが、しばしば依頼人を引き込む異界。あいは、「夕暮れの里」に立つ大樹の前で、「契約の証」である藁人形を依頼人に渡すことが多い。
- “閻魔あいの家”があるのも「夕暮れの里」。どことも知れぬ山奥にあるような描写がされるが、作中の人間世界で、深夜0時に送信された地獄流しの依頼メールが、あいのパソコンに届くのも、常に夕暮れ時であることから、異空間にある、と察せられる。地獄少女が、契約のためしばしば依頼人を引き込む湖の湖畔も、「夕暮れの里」にあると思われる。ただし、あいの家との位置関係は不明。
- 「夕暮れの里」は、第二十四話のエピソード・タイトルにもなっている。“閻魔あいの家”の周囲には、他の住居も住人も見当らないので「里」と呼ぶのは少し奇妙だが、作品外のアニメ解説雑誌などでは、しばしばこの語が用いられる。
作中では「地獄少女、閻魔あいの家は、夕暮れにつつまれた場所にある」と、語られるヵ所が、第2期「二籠」の第二十四話「連鎖」にある。柴田一著『真実の地獄少女』を、刑事の飯合誠一が黙読する場面でのこと。「二籠」の「連鎖」では、一旦、あいの家から逃げ出した少女(飯合蛍)が、歩いていると知らぬうちにあいの家に舞い戻ってしまう描写もある。
- 契約の証(藁人形)
- 地獄少女は、依頼人の前に姿を顕し「閻魔あい」と名乗ると、まず、「受け取りなさい」と、藁人形を手渡す。そして、藁人形が「契約の証」で、ほんとうに恨みを晴らしたければ首に巻かれた赤い紐(作中では「赤い糸」と言われる)を解けばいい、と伝える。「糸を解けば、恨みの相手は、速やかに地獄に流されるわ」。
作中のセリフなどには無いが、手渡された藁人形は、いわば“仮契約の証”とみなすと理解しやすいだろう。 - 藁人形が、閻魔あいに従者のようにつき従う輪入道の化身であることは、各エピソードを観ていると自然にわかる描写がされていく(骨女や一目連が化身する藁人形が「契約の証」に使われる様子が描かれるのは、第2期「二籠」から)。
- 地獄流し
- 依頼人が藁人形の紐を解くと、人形は宙に飛び去るなどをしながら「恨み、聞き届けたり」という声を虚空に響かせ、去っていく。
- 地獄流しが実行される場合、通例、ターゲットのキャラは、まず、どことも知れない場所で、バーチャル・リアリティ体験のようにして三妖怪にいたぶられる“仕置き”を加えられる。そして、仕置きの終盤に地獄少女が、毎回同じセリフで迫ると、場面は、三途の川を思わせるもやに包まれた川の場面に転換。ターゲット・キャラは、あいが艪を漕ぐ小舟に乗せられたまま、川中にそびえる大鳥居をくぐっていく。この時あいの声で「この恨み、地獄に流します」とモノローグが被さる描写が、定型。
- 各エピソードの断片的な描写を総合すると「地獄流し」にされた人間は、現実世界では、突然の失踪として扱われる。例えば、後から遺体が発見される、などの描写はみられない。
- 地獄少女の“仕置き”については、決して一般的な呼び方ではないが、実は、第一話の“仕置き”シーン中に黒田亜矢が、偽の女生徒に「ほんと使えない子ね」「お仕置きしなくちゃ」と言われる場面がある。
- (地獄流しのターゲットキャラが、三途の川シーンの前に、“仕置き”を受ける空間は、第2期アニメ「二籠」第十六話「悪女志願」にて、骨女の口から「ここは地獄のイリュージョン」と語られる)
- たまたま、恨みの相手と対面してる状況で依頼人が藁人形の紐を解くと、相手は依頼人の眼前で忽然と姿を消すこともあるらしい(第十話「トモダチ」、第十五話「島の女」など)。
(ターゲットのキャラが虚空に消えていく直接描写が観られるようになるのは、第2期「二籠」から。第1期アニメでは、むしろ第八話での、軟体の怪物のように変化したガラスの中にターゲット・キャラが引き込まれていく、などの描写が印象に残る)
- 「人を呪わば穴二つ」
- 地獄流しの依頼では、依頼人に代償が課せられる。「人を呪わば穴二つ」。つまり、依頼をした者も、死後に魂が地獄に墜ちることが宿命づけられる。「極楽浄土へは行けず、あなたの魂は、痛みと苦しみを味わいながら、永遠にさ迷うことになるわ」「死んだ後の話だけどね」。
第1期アニメでは、依頼の代償を聞かされた依頼人が直後に地獄の様子を疑似体験する描写や、一瞬地獄のイメージを幻視で垣間見る描写が、前半に偏って観られ、後半にかけて暫減していく。この描写は第1話では観られる。
(類似の描写は、2期「二籠」や3期「三鼎」では観られない) - 「いっぺん、しんでみる?」
- 地獄少女が口にする定型セリフの内、視聴者に広く知られたもの。作品外の関連商品で、Tシャツに使われたり、扇子に使われたりした。
- このセリフは、地獄流しにされるターゲット・キャラに、地獄少女が“仕置き”場面のクライマックス(“三途の川”場面に転じる直前)で聞かせるセリフの一部抜粋。
- セリフの全体は、次のよう。
「やみにまどいしあわれなかげよ ひとをきずつけおとしめて つみにけがれし ごうのたま いっぺん しんでみる?」
(闇に惑いし哀れな影よ。人を傷つけ貶めて。罪に溺れし業の魂。いっぺん、死んでみる?) - 依頼人
- 第一話「夕闇の彼方より」で、地獄流しの依頼人になるのは、同級生のグループに恐喝されていた女子中学生、橋本真由美(声優=植田佳奈)
- “閻魔あいの家”
- 「夕暮れの里」にある、藁葺き屋根の一軒家。外見は、古びた民家に見える。
- 家の近くには彼岸花が群生。少し離れて小川が流れ、あいが、地獄流しに出陣する前などに、長襦袢姿で沐浴する。「周囲に他の家は無い」。
- “三藁”
- “三藁(さんわら)”は、閻魔あいにつき従い、地獄流しの準備や遂行を補佐する3体の妖怪の通称。メディア雑誌など、作品外情報で用いられる通称で、作中で使われた例はないはずだ。少なくとも、第1期アニメのセリフなどでは聞かれない。“三藁”は彼らが、地獄流しの契約の証し、藁人形に化身することから呼ばれるようになったはずだが、実は第1期シリーズで描かれたエピソードでは、依頼人に手渡される藁人形は、もっぱら輪入道の化身。骨女や、一目連の化身が依頼人に渡るエピソードは、第2期シリーズ以降。
- アニメ解説記事の類では、3体の藁人形が、それぞれ“黒藁”、“赤藁”、“青藁”と呼ばれる例もあるが、これも作品外の通称であるはず。
- 輪入道(声優=菅生隆之)
- 閻魔あいにつき従う妖怪の1体。火焔に包まれた木製車輪の中央に、入道の顔面がある。自動車の類に自在に変化できるらしい。地獄少女が、「夕暮れの里」から出陣する際には、牛車に変化すると、あいを乗せ宙を駆けてゆく。輪入道が変化した自動車の類は、いずれかの車輪1つが入道の顔面を持ち、火焔に包まれている。
- 藁人形としては、黒味かかった色の濃い人形に変化する。第1期アニメでは、依頼人に手渡される藁人形は、もっぱら輪入道が変化したものだった。
- 人間体の姿は、第1話の“仕置き”場面で初登場。地獄流しのターゲット、黒田亜矢(声優=川上とも子)を脅すため、教師に化けて姿を現す。
- 人間体のときは、基本的には大正時代風の風体で袴姿の和服に山高帽とマフラーを身につけた禿頭の老人の姿をとる。しばしば、不破龍堂(ふわ・りゅうどう)と名乗る。
- 一目連(声優=松風雅也)
- 閻魔あいにつき従う妖怪の1体。しばしば巨大な一つ目の姿を顕す。
- 第1話の“仕置き”場面で初登場。異界(地獄のイリュージョン)で、教室の天井に巨大な一つ目の姿を顕し、地獄流しのターゲット、黒田亜矢を脅す。人間体の姿は、一つ目の姿の直後、話入道の人間体に伴って初登場。
- 普段あいの身辺などでは、カジュアルなファッションをラフに着る青年の姿をとる。長い前髪を流して、左目は隠している。
あるいは、人間の男の姿で、後頭部に大きな一つ目を見せたり、正面の顔が一つ目小僧のように大きな一眼である姿を見せることも。
- 藁人形としては、青味がかった色の濃い人形に変化(第二十話)。
- 骨女(声優=本田貴子)
- 閻魔あいにつき従う妖怪の1体。第1話の“仕置き”場面で初登場。遊女風に着崩した和装姿で顕われ、地獄流しのターゲット、黒田亜矢(声優=川上とも子)に威圧的に詰問。
- 本体は、骸骨の姿らしいが、しばしば、顔の半面や体の一部が白骨化した女性の姿を顕す。地獄通信への依頼の背景調査では、アラフォーくらいのビジネスウーマン風の姿を好んでとり、タイト・ミニのスーツなどを着用。オンダ(恩田か?)と名乗る。(骨女が、曽根アンナの名を多用するようになるのは、第2期「二籠」の終盤から)
- 藁人形としては、赤味がかった色の濃い人形に変化する(第二十話)。
- 「契約の刻印」
- 正式な地獄流しの依頼をして、聞き届けられた人物が、死後に魂が地獄に堕ちることを証す刻印。ターゲットが流された後、体のどこか比較的目立たない部位(多くの場合、胸元)に、小さな刻印が刻まれる。デザイン化された火焔が、太線の円に囲まれ、上部だけが円を押しのけて上方に突き出たような紋様。
- 「契約の刻印」という言葉は、第二話「魅入られた少女」で、依頼人の少女に対して一目連が使う。
- 同じ刻印が「地獄送りの刻印」と呼ばれるのは、第十三話「煉獄少女」。物語内の今から50年ほど前、あいに地獄流しを依頼したフクモトが、柴田一に語る。「思えば、私の人生は、この刻印との闘いだった」とも。
- 地獄少女が地獄流しのため「夕暮れの里」から出陣する場面で、輪入道が化身した車に、あいを乗せる。この牛車のような車両には、後部に下げられた御簾に刻印と同じ紋が大きく描かれている。前面に下げられた御簾にもやや小さく描かれている。
- 名入りの蝋燭
- 原則、各エピソードのオーラスの短く定型的な場面では、人名が筆で記された太い蝋燭が多数灯されている暗い空間が描かれる。画面中央手前から奥に、エピソードの依頼人の名が記された蝋燭が移動し、他の蝋燭の間に落ち着く頃、あいの声で「あなたの恨み、晴らします」のセリフが聞こえる。
- 第十三話「煉獄少女」では、アーバンパート末尾に、闇の空間に無数に浮かぶ名入り蝋燭の灯明が映り、今まさに燃え尽きんとする1本の蝋燭のアップで、エピソードタイトルの画面に転じる。第十三話を観ると、この画面は、名入りの蝋燭が、地獄流しを依頼した依頼者の余命を顕している示唆が読みとれる。
第二話「魅入られた少女」
- 鷹村涼子(声優=清水愛)
- 1年ほどに渡り度重なるストーキングに脅かされている少女。第二話冒頭で、嫌がらせ電話を受けた直後に地獄通信へのアクセスに成功。ストーカーの名は知らない段階で、依頼を送信し、直後に「受け取りました」の携帯メールを受信する。
- 鷹村涼子は学校で、職員のふりをした骨女に声をかけられると理科室に連れて行かれ、夕暮れの里の湖畔へ引き込まれる。この時「2年A組の鷹村涼子さん」と呼びかけられる(女子中学生か、女子高生かは不明)。対面するあいが「私は、閻魔あい」と名乗ると、鷹村涼子は「地獄少女」と呟く。藁人形を手渡され、契約の条件を伝えられる。
- Bパートで、鷹村涼子は、犯人を逮捕すると言葉巧みに誘う如月孝一郎に拉致される。拉致先で脅かされたところで、涼子は藁人形の紐(紅い糸)を解き、一目連に救われる。この時、一目連は契約の刻印のことを涼子に語る。
- 如月孝一郎(声優=一条和矢)
- 鷹村涼子の両親が警察に依頼したストーキング対策を担当する警部。部下のアキモト刑事がストーカーだ、と鷹村涼子の父親に漏らすが、内偵捜査の都合上、内密にと釘を刺す。
- 実は、如月孝一郎がストーカーだったことが描かれるのはBパートでのこと。
- 如月孝一郎は一度拉致する鷹村涼子を取り逃がし、涼子殺害を狙って、彼女の父親が入院中の病院に侵入。三藁によって“仕置き”を加えられる。「自分のした事を少しは侘びる気になったか」と迫られると「悪いのは涼子だ。裏切ったあいつが悪いんだ。全部あいつが悪いんだ」とわめき、地獄少女に「闇に惑いし哀れな影よ〜」と、言い渡される。
三途の川の渡し舟の上で気づく如月孝一郎は、「ここは……。ま、待て、どこへ行くつもりだ。一体、ここはどこなんだ!?」と舟を漕ぐ地獄少女にわめくが。「さぁ、どこなんだろうねぇ、旦那」と、背後から骨女に抱きつかれる。「何をする、離せ」と言う如月に、「そいつはできない相談だねぇ」と言う骨女が抱きつくと、白骨化させた指先を如月の胸に挿し込んでいく。
第三話「汚れたマウンド」
- 花笠守(声優=杉山紀彰)
- 「全球団注目」の高校生投手。
- 後輩の室井伸一に加えた暴行が元で死に至らしめるが、責任を感じない。
- 花笠に対する“仕置き”(地獄のイリュージョン)には、死んだはずの岩下も登場。罪を認めるかと迫る“三藁”に、花笠はエリート意識むき出しの応えをし、地獄少女に「闇に惑いし哀れな影よ〜」と告げられる。
三途の川の渡し舟の上で気づく花笠守は、「今度は何だ? 答えろッ!!」と地獄少女に迫るが無視される。 - 室井伸一(声優=内藤玲)
- 花笠守と同じ野球部の下級生。花笠に加えられた暴行が元になって、内臓破裂で死亡。
- 岩下大輔(声優=羽多野渉)
- 花笠守と同じ野球部の下級生。おそらく室井伸一とは同学年。
- 花笠の言うまま、室井と口裏を合わせて、「ふざけていて、室井を土手から突き落とした」と室井の家族に伝える。
- 室井の死後、岩下は、花笠に責任を問い詰めるが、白を切られる。岩下は、その直後女子高生たちが交わしている地獄通信の噂話を聞く。
- 室井の死に至らしめた犯人と目され、追い詰められた岩下は、地獄通信へのアクセスに1度で成功、躊躇いを見せながらも、その場で「花笠守」の名を入力し、送信。その後、地獄少女は(おそらくその晩の内に)室井の部屋に忽然と姿を顕し、藁人形を手渡す。
- 岩下は、藁人形を持ったまま花笠を呼び出し、もう1度、室井の死の責任を問うが、白々と責任を否定され、藁人形の紐(紅い糸)を解く。
- 地獄流しの後、花笠が室井をバットで殴っていた様子の目撃者が現われ、岩下の潔白は証だてられる。しかし、岩下は転校することに。
- 用語
- 解説
関連する用語
- 「逆さまの蝶」
- アニメ『地獄少女』のOP(オープニング曲)。
- 「かりぬい」
- アニメ『地獄少女』のED(エンディング曲)。
- 作詞=三重野瞳 、作曲=西田マサラ、編曲=西田マサラ、アーティスト=能登麻美子
- 「かりぬい」歌詞(歌詞タイム)
- スタッフ
- 原作=地獄少女プロジェクト(原案=わたなべひろし)
- プロデューサー=阿部愛、林田師博
- 製作=地獄少女プロジェクト
(アニメーション製作はスタジオディーン) - 総監督=大森貴弘
- シリーズ構成=金巻兼一
- 総作画監督=相澤昌弘
- キャラクター・デザイン=岡真里子
- 美術監督=菱沼由典
- 色彩設計=松本真司
- 楽曲製作=高梨康治、水谷広実
- 関連事項
- 都市伝説
- 作中では、地獄通信と地獄少女の話が、しばしば作中人物たちに「都市伝説」と呼ばれている。
- 「都市伝説」の本来の意味は「都市化動向が支配的になった時代の口伝えの伝承(口承伝説)」。都市環境以外の農村、漁村などを舞台にしても、都市化時代の内容が色濃ければ「都市伝説」に含まれる。この場合の「伝説」は、「真偽の確認はできないが、実際に起きた話として伝えられる物語」のことで、歴史上の過去に起きた(と信じられる)話のことではない。この点、作中で、地獄通信や地獄少女の話が「都市伝説」と呼ばれる用例は、奇異ではない。
例えば、第1話「夕闇の彼方より」で、依頼人になる少女が同じ学校の女学生たちが、地獄通信の噂話をしている様子を偶然聞く場面。この場面では「友達の友達が、実際に地獄通信にアクセスした」といった話が交わされている。こうした語り口は、都市伝説らしい。 - アニメの物語内の今で、普通人の間で語られる地獄通信の話は、都市伝説の内でも「ネット伝承(ネットロア、netlore)にあたる。
メモ
- 第1期アニメ『地獄少女』は、シリーズを通観すると、閻魔あいに地獄通信を止めさせようとする柴田父娘が、かえってあいとの因縁を引き寄せてしまう話。結果、視聴者にも、シリーズ終盤で、閻魔あいの素性が明かされる。
- 閻魔あいの能力
- 依頼人の身辺に忽然と姿を顕し、忽然と消える。(第一話、第二話、第三話)
- 空中浮遊。(第一話、第二話)
- 依頼人を異界(夕暮れの里)に引き込む。(第一話、第二話)
- 依頼人に地獄の様子を疑似体験させる幻覚を感知させる。(第一話、第二話、第三話)
- 依頼人を自分と共に擬似瞬間移動させることもできる。(第一話)
- 鏡やガラスのような面に虚像のみを顕し、鏡面類の“向こう”から実体空間の様子を感知できる(らしい)能力。(第一話、第二話)
- 観どころ
- OPアニメ
- モノトーン調の内に所々有彩色をさす様な色彩設計の都会の画面はいい。
特に終盤、歌詞がリフに入る当たりで、群集雑踏の内を歩く閻魔あいのカットがいい。 - 閻魔あいが、ビー玉で独り遊びをしてる場面の赤系の色彩設計もいい。
- モノトーン調の内に所々有彩色をさす様な色彩設計の都会の画面はいい。
- EDアニメ
- 冒頭の閻魔あいのアップ、うつむき加減から正面に向きながら、瞼を開いていく動画がいい。
- 第一話「夕闇の彼方より」
- Aパート終盤、投身自殺を図る橋本真由美の脇に、セーラー服姿の地獄少女が、逆さ落としに顕われ、手をつなぐ。そのまま夕暮れの里の湖畔に転移するのだが。投身から転移までの演出がいい。
- Bパートの“仕置き”シーンで、地獄少女が、黒田亜矢に「罪に溺れし業のたま」「いっぺん死んでみる」を告げる箇所での視線の動画演出がいい。
- 三途の川の渡し舟のシーンで、櫓を漕ぐ地獄少女は、第一話では、セミロング時、顔に影がかかる作画演出がある。(「この恨み地獄に流します」でバストアップになると、影の演出はない)
- 第二話「魅入られた少女」
- 第三話「汚れたマウンド」
- その他
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