退屈姫君伝
50万石の末姫が25000石の貧乏大名のもとに嫁ぎ、腰元に扮して町に出たりどたばたしつつ、藩邸の六不思議の真相を探る。そして田沼の罠をどうかいくぐるのか。愉快なコミカル時代小説。
- 著
- 米村圭伍
ひがな一日藩邸ぐらし。心ときめくことがない。暇にまかせて探った藩の謎。愛くるしい姫君はいつしか藩お取り潰しの罠にはまっていた−。「風流冷飯伝」につづき、洒脱な笑いとお遊びいっぱいの姫君時代小説。
用語や登場人物
- めだか姫
- 磐内藩50万石の美貌の末娘。時羽直重に嫁ぐ。突飛なことをしでかすけれど、ひとがよく誉め上手で、気のいい姫君。
- 時羽直重
- 25歳。風見藩主。
- 西条綱道
- めだか姫の父。磐内藩主。
- 諏訪
- 30前の老女(腰元の長)。
- 時羽直光
- 風見藩主の弟。浪人に扮し町に遊ぶ。
- お仙
- 山育ちのくのいち少女。日に焼けた天狗娘。(のちの笠森お仙ですね)
- 倉地政之助
- 四角い顔のお庭番。おひとよしで騙されやすい。
- 五郎兵
- 笠森稲荷の前で水茶屋鍵屋を営む。お仙の父。倉地政之助の手先。
- 天童小文五
- めだか姫の将棋の師匠を勤める。むちむち丸々とした青年。将棋家元伊藤宗印の弟子。
- 田沼意次
- 倉地政之助に磐内藩と風見藩の密約を探らせる。
- 徳川家治
- 将軍。
- 磐内藩
- 東北の五十万石の架空の雄藩。殖産に成功し金もある。
- 風見藩
- 四国讃岐二万五千石の架空の貧乏藩。
- 用語や人名
- 解説
メモ
- 時代小説だけどキャラクターがライトで、切ったはったもなく、謎を解いたり騙したりを、愉快に展開する作品です。
- 架空の設定に加えて歴史上の人物を上手く拾って、愉快にキャラを立てて、縦横無尽にコミカルなエンターテイメントとして仕上げてあります。
- ちょいと下ネタは多いかも。江戸時代の戯作なんかもそうですが。
- 文庫書きおろしシリーズとして展開されることになったようです。