江戸時代に起きた「元禄赤穂事件」を題材にした創作作品の総称。

赤穂藩主浅野長矩(内匠頭)が吉良義央(上野介)に江戸城内で斬り付け、長矩は切腹、赤穂浅野家は取り潰しに、一方義央はお咎めなしとなった。

喧嘩両成敗の原則に反するこの沙汰に反発する赤穂藩城代家老大石良雄をはじめとする赤穂藩の旧藩士47人が吉良邸に討ち入り、吉良義央の首を取った。

最初の創作は、赤穂義士切腹と同年に上演された新作狂言『曙曽我夜討』とされるが、これは3日で幕府から上演禁止にされた。

3年後に、近松門左衛門作の人形浄瑠璃『碁盤太平記』が上演され人気を博す。『碁盤太平記』以降、多数上演された関連作の集大成が、人形浄瑠璃『仮名手本忠臣蔵』(初演1748年)とされる。『仮名手本忠臣蔵』は、同年、歌舞伎の演目にも採用された。

用語や登場人物

吉良上野介
幕府高家。江戸城松之大廊下で浅野内匠頭に切りつけられる。藩主切腹、お家断絶となった旧赤穂藩浪士に屋敷に討ち入られる。
浅野内匠頭
赤穂藩藩主。江戸城松之大廊下で吉良上野介に切りつけ、即日切腹となった。動機は「私的な遺恨」であるが、詳しく取り調べる前に切腹の命を受けたので不明。
大石内蔵助
赤穂藩城代家老で、吉良邸討ち入りの首謀者。

メモ

  • 江戸時代は武家社会の事件を実名で上演することが禁じられていたため、人形浄瑠璃や歌舞伎の忠臣蔵は太平記の時代として人名を変更している。実名になったのは明治時代以降。
  • 太平記由来のエピソードや、戯作者、講談師による創作、演出が大量に含まれており、史実通りとは言えない。

書誌情報

資料

橋本治・岡田嘉夫の歌舞伎絵巻 仮名手本忠臣蔵

ビジュアル版 日本の古典に親しむ 仮名手本忠臣蔵

話題まとめ

チャットログ

http://www.cre.ne.jp/writing/IRC/write/2002/12/20021216.html#140000 前後
浅野内匠頭が吉良上野介を斬りつけた理由、というのは諸説あるらしい
http://www.cre.ne.jp/writing/IRC/write/2004/12/20041214.html#020000
忠臣蔵は裁判権に対する反抗になるので明白に反政府。しかし主従の美談という要素があるので、(無責任な)庶民感情は味方する。
http://www.cre.ne.jp/writing/IRC/write/2005/11/20051126.html#220000 前後
「スターウォーズ忠臣蔵」とその元ネタとなった忠臣蔵のエピソード。後の脚本家とか、講談師とかが、どんどん自分なりにさまざまなエピソードをくっつけて世に出しまくったから、すごいことになってる。
http://www.cre.ne.jp/writing/IRC/write/2007/01/20070101.html#100000
忠臣蔵っておもしろいかなあ。難しい。
http://www.cre.ne.jp/writing/IRC/write-ex2/2008/05/20080523.html#050000
「忠臣蔵」と聞いて、近松門左衛門の「仮名手本忠臣蔵」が“でてこない”人がいることに驚いた。年末にやってるあれくらいのイメージっしょ普通。あとまあ、忠臣蔵といったら赤穂事件そのものを指して用いるという用法自体は、わりと普通に使われてると思います。

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