オタク成金

あかほりさとるの自伝+創作論的なもの。インタビュー的なものをもとに構成したという体裁。

あかほりさとる/天野由貴

ライトノベルを生み出しメディアミックスを仕掛け、「成金」となったあかほりさとるが、その栄光と転落の軌跡を語る。また、売れるためのノウハウや、売れ続けるための秘術秘技なども明かす。

用語や登場人物

用語や人名
解説

メモ

  • 天野由貴なる人物が謎。とても20年前に中学生で、非オタクの女性ノンフィクションライターであるようには見えない。オタク的なネタ以外での切り返しや解説もないし。
  • ライトノベルの歴史における位置づけは違和感がある。関係者によるノベライズにしても会話中心で下が白いのにしても、既にあったわけで。
  • メディアワークスの売り上げ記録作品はあかほりさとる作品らしい。
  • 作品は150点近くで2200万部。2200/150=14.666……。
  • ライトノベルのあと移行する場がないみたいな話をしていたが、んなことないよな。
  • 創作論的なところは、実体験からのもので面白い。
  • まず魅力的なシーンを考え、それを体現するようにキャラクターを作り、ストーリーはそれを動かすためのものであり、設定や仕掛けは味付けである。
  • ジャンルのお約束部分の詳細なマニアック化するのを避ける。
  • 設定先行にこだわってしまうことの危険性とか。設定にこだわってシュラトの時の監督にしばかれた話なんかがあります。
  • 欲望の重要性は確かにそうだよな。評論家的に形でみてるだけでは情念が籠もらない。マンガ・アニメ以外の夢中になれるものが武器になる。
    • 「好きで好きでたまらない」というものがないと。#もの書きの言い方で言えば「俺のおもしろいを喰らえ」でないと、面白くならんよというあたりですな。
  • 「アイデアなんてどんどんだして周りに言ってなんぼ」な立ち位置ですな。作品アイデアは「仕掛け」であって重視していないというのもあるんだろうけど。企画の切り口のアイデアというか、他業種とどうからめるかみたいな方向で活路を見いだすあたりは、あれもあれで「アイデア勝負」なので、実のところ、アイデアくらいいくらでも出てくるぜという自信があってのものであるという気がします。
  • 「I love you.を百通り訳せ」という創作教室の方法は、なかなか有意義だと思う。試してみると良いかと。

書誌情報

アフタヌーン新書

話題まとめ

チャットログ

http://www.cre.ne.jp/writing/IRC/write/2009/05/20090511.html#110009
「実作者だろ? そんなこと言ってるんだったらちゃんと自分が書きたい小説書けよ」と思ってしまう罠。
http://www.cre.ne.jp/writing/IRC/write-ex1/2009/05/20090513.html#090000
最後の章だけ読んだ。「それでも君、オタク成金になろうよ!」という締めだった。最初の方はインタビュー形式の回顧録みたいな感じだった。
http://www.cre.ne.jp/writing/IRC/write-ex1/2009/05/20090513.html#100000
あかほりさんがプロデューサー的と言うのがよく分かった。ただこういうことを一般人のワナビが出来るかといえばなぁ……。
http://www.cre.ne.jp/writing/IRC/write/2009/05/20090515.html#110002
この本で話題を起こすことが狙いだったんだろうから、論議の内容はともあれ、それを起こす、という狙いは成功したな
http://www.cre.ne.jp/writing/IRC/write/2009/05/20090515.html#230000
「オタク成金」でライトノベルのあと移行する場がないみたいな話をしていたが、んなことないよな。「オタク成金」のライターはなんか、キャラ立てが酷い……。創作論自体は実体験に基づいたそれなりに説得力のあるものではありました。
http://www.cre.ne.jp/writing/IRC/write-ex1/2009/05/20090521.html#020000
I love you.をどう訳すか。荒川稔久が「アンタなんか大嫌い」と訳して見せたのだそーだ。
http://www.cre.ne.jp/writing/IRC/write-ex1/2009/05/20090524.html#100000
『オタク成金』のSF化とか新本格化ってのは、設定の工夫や細かい用語のアイデア、トリックなどのプロットの仕掛けなどばかりに注意がいっていて、(あかほりさとるの考えるところの)肝心のキャラクターがイマイチになってるという話だと思う。平凡でわかりやすい設定だけど面白いというものを評価しないで、新奇性ばかり追いかけてくとか。

書評

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