役小角の一族と賀茂一族の由来、そして京をめぐる闇の眷族の争いをもって、安倍晴明誕生を描く。
- 著
- 五代ゆう
修験道の里、葛城山に暮らす役の一族の長・大角を陰陽寮当主・賀茂忠行が訪れた。十五年前から恐れていたあの者が都に現れたため、力を借りに来たのだ。長は忠行に息子の志狼を都に連れていくことを勧める。しかし、志狼は怨霊となった母・黒御前の呪縛に苦しんでいた。忠行は、その怨霊の背後にあの者の影があることを感じる…。人心が荒み、闇に魑魅魍魎が跋扈した時代—闇に抗った者たちの姿を描いた長編伝奇絵巻。
用語や登場人物
- 志狼
- 主人公。役一族の長の息子。
- 賀茂忠行
- 力を求めて一族の祖地、葛城を再訪する。
- 賀茂保憲
- 忠行の子。
- 鳴滝
- 外法を使う女。
- 葛葉
- 河原の遊女。鳴滝の配下。
- 童子
- 葛葉を姉と慕う言葉を話さぬ少年。
- 平将門
- 鬼と遭遇した一件から事件に関る。
- 藤原純友
- 袴垂こと藤原保輔のもとで盗賊働きをしていたが……。妖術に耐性がある。
- 用語や人名
- 解説